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光輪
作曲年月:2015年8月
編成:Mandolin1, Mandolin2, Mandola-Tenor, Mandoloncello, Guitar, Contrabass
演奏時間:10分
初演:龍谷大学マンドリンオーケストラ(2015年10月)
楽譜:6,000円(スコア、パート譜)

[試聴(YouTube)]
全曲(演奏動画)(11’12’’) 光輪(YouTube)
演奏:ARTE MANDOLINISTICA(名古屋公演)

[曲目解説]
飛行機に乗る、というのは、私にとってバスや鉄道に乗ることに比べて非日常的で特別な印象がある。
搭乗手続きも気分を盛り上げるのに一役買っている。
遠くに雨の降る中離陸して、雲の上に出た時の青空や太陽の光の眩しさには、空を飛んでいることを実感するのだ。
子どもの時、プロペラ機で大阪から種子島まで飛んだ時は、胴体の揺れが少し強かった記憶がある。
地面とは離れたところにいる自分は、気持ちも現実から離れて、冷静に自分のことを見つめ直すことができるのかもしれない。
「光輪」とは、飛行機に乗った時などに、雲に映る飛行機の影の周りに、虹色の光の輪が現れる現象のことを指す。
英語では「グローリー glory」と言い、また、同じような現象で、山登りなどで自分の影に光輪が現れることは、ブロッケンの妖怪とも言われる。
ある気象条件によって現れる虹は、分析すればそれほど珍しいことではないのだろうが、やはり目の当たりにすると嬉しいものだ。
この曲は、虹色の光が輪をめぐるイメージで、核になるメロディーが、いろいろな形に変化(反射)して繰り返し現れる。
また、山田耕筰作曲による龍谷大学の学歌の旋律の断片を、モチーフに使用している。
特に歌いはじめの音程、6度跳躍は、気持ちがこもった特別な音程として使用した。
もし、飛行機に乗り、虹色の輪が見えたら、願いをかけてみることにしよう。
誰もが幸せになれるように、と。
(龍谷大学マンドリンオーケストラ第47回定期演奏会プログラムより)

この曲は、龍谷大学マンドリンクラブの委嘱により2015年に初演されました。
「しっとりした曲を」「委嘱曲の前に演奏する『深空』と関連があるテーマで」という依頼で、学歌の旋律を挿入するアイデアは、技術顧問の井上泰信氏よりいただきました。
また、各パートからの希望で、目立つところでdiv.になっています(ギターは3div.)。
初演では、部員のみなさんの温かい想いが伝わって来る演奏をしていただきました。
アンコールの後に、拙編曲の学歌が演奏されたので、モチーフのリンクが効果的でした。