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月の剣(つるぎ)ークレセントー
作曲年月:2007年11月
編成:Mandolin1, Mandolin2, Mandola-Tenor, Mandoloncello, Guitar, Contrabass
演奏時間:9分
初演:Mandolin Ensemble Dormitina(2009年10月)
楽譜:5,000円(スコア、パート譜)

[試聴(MP3ファイル)]
全曲(12.9MB 9’29’’) crescent.mp3
演奏:Mandolin Ensemble Dormitina(第1回定期演奏会より)

[曲目解説]
月の剣とは、三日月の異名の一つです。
陰暦では新月を一日目にカウントするため、三日目の月は月齢2にあたり、一般にイメージされる三日月よりもはるかに細く鋭い形をしています。
月の裏側は地球からは見ることができないということを知り、月の持つ叙情的かつ神秘的な面と、冷たさの裏側にある攻撃的な面を思い描きました。
初めはつかみどころのない短いモチーフが揺れながら消えていき、その後テンポが上がり5/8拍子になると、旋律、リズムが鋭角的に攻めていきます。
最後には、(次の日は月齢が増えるため)一日で消えてしまうはかなさが表現されています。

この曲は、昔コントラバスとピアノのために書いた曲をリライトしました。
元のタイトルは「Reversible Paper Moon」というのですが、三日月はpaper moonとは言わなかった様ですね(今回調べて知りました)。
優しそうな月の光にも、実はまだ見せたことのない裏側にはとても暴力的なものが潜んでいるのではないか、そんなことを想像して書いた記憶があります。
自分の曲の中では初めて、「上駒と糸巻きの間を弾く」ということもしてみました。
前半と後半のコントラストを楽しんでいただけると嬉しいです。

Mandolin Ensemble Dolmitinaの初演では指揮なしで演奏され、前半の揺らぎや後半のリズムの鋭さを、うまく表現していただきました。